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【第1部|電力市場】1.5 先渡市場とは

電気の受渡しより前に、将来の一定期間にわたる売買を約定する市場が先渡市場である。

JEPXの先渡市場では、1年間、1か月間または1週間を通じて受け渡す電気を取引する。

1.5.1 先渡市場とは

先渡市場は、将来の特定期間に受け渡す電気について、売り手と買い手が価格と量を事前に約定する市場である。

スポット市場が翌日に受け渡す電気を30分単位で取引するのに対し、先渡市場では受渡期間が長い商品を取引する。

1.5.2 先渡市場の商品

先渡市場の商品は、受渡期間と、日ごとの受渡時間帯を組み合わせて設定される。

表1.5-1 先渡市場の商品

商品受渡期間日ごとの受渡時間帯
年間24時間型1年間全日の0時から24時
月間24時間型1か月間全日の0時から24時
月間昼間型1か月間JEPXが定める日を除く日の8時から18時
週間24時間型1週間全日の0時から24時
週間昼間型1週間JEPXが定める日を除く日の8時から18時

24時間型は、受渡期間の全日にわたって一定の出力の電気を受け渡す商品である。昼間型は、JEPXが定める日を除き、8時から18時まで一定の出力の電気を受け渡す商品である。年間商品には昼間型は設定されない。

1.5.3 商品ごとの取引期間

先渡市場では、商品の受渡期間によって取引開始日と取引終了日が異なる。

月間商品は、受渡月の前年同月の最初の営業日から、受渡月の前々月19日まで取引される。週間商品は、受渡期間の最初の日が属する月の前々月20日から、受渡しを対象とする翌日取引実施日の2営業日前まで取引される。

年間商品は、受渡開始年の3年前の4月の最初の営業日から、受渡開始月の前々月の最後の営業日まで取引される。商品ごとの具体的な取引期間は、JEPXから年度ごとに公表される。

1.5.4 取引時間と取引単位

先渡市場の立会いは毎営業日に行われ、午前の前場と午後の後場に分かれる。

表1.5-2 先渡市場の取引時間と単位

項目内容
前場10時から12時
後場13時から15時
取引単位30分当たり500kWh
受渡単位30分当たり500kWh
価格の表示1kWh当たりの価格
呼値の単位0.01円/kWh

取引会員は、商品ごとに希望する売値または買値、量、受渡エリアを指定して入札する。

1.5.5 ザラバ方式による約定

先渡市場では、商品ごとにザラバ方式で約定する。売り入札と買い入札の条件が合致すると、その都度、約定処理が行われる。

約定価格には、約定した売買入札のうち、先に入札された価格が適用される。前場で約定しなかった入札は、取り消されない限り後場まで残る。

1.5.6 電気の受け渡し

先渡市場で約定した商品の取引終了後、取引会員が保有する売買量は、JEPXの翌日取引を通じて受け渡される。

JEPXは、取引会員がエリアごとに保有する売買量のうち、売りと買いの差の分を、受渡期間の日ごとに30分単位の売り入札または買い入札として翌日取引へ代行入札する。約定後は、翌日取引の規定に従って決済と受け渡しが行われる。

まとめ

先渡市場は、将来の1年間、1か月間または1週間にわたって受け渡す電気を事前に取引する市場である。商品には24時間型と昼間型があり、年間商品には24時間型だけが設定される。

取引は前場と後場のザラバ方式で行われる。先渡市場で約定した売買量は、受渡期間の日ごとに翌日取引を通じて受け渡される。

この記事について

参考資料

  • 一般社団法人日本卸電力取引所「日本卸電力取引所 取引ガイド」
  • 一般社団法人日本卸電力取引所「取引規程」
  • 一般社団法人日本卸電力取引所「2026年度先渡取引-商品別取引期間」

(最終閲覧日:2026年10月15日)


※本記事は、上記資料を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。


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