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【第1部|電力市場】1.6 ベースロード市場とは
石炭火力、一般水力(流れ込み式)、原子力、地熱などは、ベースロード電源として位置づけられている。
ベースロード市場は、新電力によるベースロード電源へのアクセスを容易にし、小売電気事業者間の競争を促すために設けられた電力市場である。
1.6.1 ベースロード市場とは
ベースロード市場は、1年間または2年間を通じて受け渡す電気を、日本卸電力取引所(JEPX)が仲介して取引する市場である。
2019年度に取引が開始され、ベースロード電源を保有する大規模発電事業者などが供出する電気を、新電力などが市場を通じて購入する仕組みとなっている。
1.6.2 ベースロード市場が設けられた目的
小売全面自由化後も、石炭火力、一般水力(流れ込み式)、原子力、地熱などのベースロード電源は、主に旧一般電気事業者などが保有していた。
ベースロード市場は、新電力がこれらの電源による電気へアクセスしやすい環境を整え、事業者間の競争条件を近づけることを目的として創設された。
1.6.3 商品と取引単位
ベースロード市場の商品は、受渡期間、清算対象とする価格、ベースロード調整係数の有無によって設定される。受渡期間は1年間または2年間である。
表1.6-1 ベースロード市場の主な取引条件
| 項目 | 内容 |
| 受渡期間 | 1年間または2年間 |
| 価格の表示 | 1kWh当たりの価格 |
| 呼値の単位 | 0.01円/kWh |
| 取引単位 | 100kW |
| 受渡単位 | 30分当たり50kWh |
清算対象価格と商品の市場範囲は、スポット市場のエリア価格とエリアにもとづいて設定される。具体的な商品とベースロード調整係数の内容は、JEPXから取引年度ごとに通知される。
1.6.4 オークションによる約定
ベースロード市場の取引は、商品ごとに、原則として受渡開始年の前年8月、10月、11月および当年1月に実施される。
調整係数のない商品では、取引会員は希望する売値または買値、量、受渡エリアを指定して入札する。ほかの取引会員の入札内容は、約定の前後を問わず見ることができない。
約定にはシングルプライスオークションが採用される。売り入札から供給曲線、買い入札から需要曲線を作成し、その交点の価格を約定価格、量を約定量とする。
1.6.5 購入可能量
買い取引を行う取引会員は、JEPXが購入可能量を算定するために必要な情報を、入札前に届け出る必要がある。
買い入札は、JEPXが届出内容にもとづいて算定した購入可能量以下で行う。これにより、取引会員が入札できる買い量には上限が設けられる。
1.6.6 電気の受け渡しと決済
ベースロード市場で約定した売買量は、受渡期間の各日、各時間帯について、スポット市場を通じて30分単位で受け渡される。
ベースロード調整係数がない商品では、JEPXが取引会員に代わってスポット市場へ入札する。取引会員が同じエリアで売りと買いの両方を保有する場合は、その差の量が入札される。
決済では、ベースロード市場の約定価格と、商品ごとに定められた清算対象価格との差額が精算される。ベースロード調整係数がある商品では、係数から算出した数値を約定価格に加算または減算したうえで、清算対象価格との差額を月ごとに精算する。
まとめ
ベースロード市場は、新電力によるベースロード電源へのアクセスを容易にし、小売競争を促すために設けられた市場である。JEPXを通じて、1年間または2年間にわたり受け渡す電気を取引する。
取引はシングルプライスオークションで行われ、約定した売買量はスポット市場を通じて30分単位で受け渡される。
この記事について
参考資料
- 資源エネルギー庁「ベースロード市場ガイドライン」
- 資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版) 第1章 第4節 二次エネルギーの動向」
- 一般社団法人日本卸電力取引所「取引規程」
(最終閲覧日:2026年10月16日)
※本記事は、上記資料を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。
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