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【取扱製品解説|船舶 第4回】軸馬力計とは
船舶の速力・馬力試験(Speed/Power Trial)では、所定の船舶状態における船速、軸出力およびプロペラ回転数の関係を測定する。
これらの測定結果は、契約で定められた船速と出力が得られているかを確認するとともに、IMOが定めるエネルギー効率設計指標(EEDI)に用いる船速および出力を求めるためにも使用される。
また、軸馬力計は、新造時の試運転だけでなく、就航中の船舶における軸出力の監視や運航性能の把握にも用いられる。
本記事では、ITTCの速力・馬力試験ガイドラインを参考に、軸馬力の定義と軸馬力計による測定の基本を整理する。
4.1 軸馬力とは
軸馬力(Shaft Power)は、推進機械から減速装置その他の伝達装置を経て、補機に使用される動力を差し引いた後、推進軸系へ供給される正味の出力である。
これに対して、減速装置や伝達装置を通過する前に、推進機械の出力側継手で得られる出力を制動馬力(Brake Power)と呼ぶ。
軸馬力は、主機関などの推進機械で発生した出力そのものではなく、伝達装置や補機の影響を経た後に推進軸系へ供給される出力を表す。
4.2 軸馬力計とは
軸馬力計は、船舶の推進軸系における軸トルクと軸回転数を測定し、これらの測定値から軸出力を求めるために使用される計測装置である。
速力・馬力試験における主要測定項目として、軸トルクまたは軸出力と、軸回転数が挙げられる。
軸出力P[W]は、軸回転数n[rpm]と軸トルクQ[N・m]を用いて、次式により求められる。
4.3 軸トルクの測定
軸トルクの測定方法として、次の装置が用いられる。
・校正された常設トルクセンサーを備えたトーションメーター
・軸に取り付けたひずみゲージ
・上記と同等以上の精度が証明された代替測定装置
ITTCのガイドラインでは、速力・馬力試験に使用する計測システムは、試験軸上における出力測定のバイアス誤差が1%未満であると認証され、実船上で総合的なバイアス誤差2%未満を達成できるものであることが求められている。
軸トルクを直接測定できない場合は、主機関メーカーが推奨し、船主および検証者が承認した代替出力測定方法を使用できる。
4.4 軸回転数の測定
軸回転数は、軸トルクとともに軸出力を求めるための主要測定項目である。
軸回転数の測定装置として、次の装置が用いられる。
・ピックアップ
・光学式センサー
・船内の回転計
軸回転数の単位には、毎分回転数(rpm)が使用される。
4.5 表示ユニットの役割
軸馬力計には、軸トルク、軸回転数および軸出力などの測定結果を確認するための表示ユニットが用いられる場合がある。
表示ユニットは、軸に取り付けてトルクや回転数を直接検出するセンサーではなく、計測システムから受信した測定結果を表示する装置である。
試運転時のほか、就航後に軸トルク、軸回転数および軸出力などの測定結果を確認するためにも用いられる。
表示される項目、接続方法、通信方式およびデータ記録機能は、軸馬力計の構成や製品によって異なる。
そのため、表示ユニットを交換または選定する際は、既設のセンサー、信号処理装置、電源および通信仕様との適合性を確認する必要がある。
この記事について
参考文献
・International Towing Tank Conference, Preparation, Conduct and Analysis of Speed/Power Trials, ITTC Recommended Procedures and Guidelines, No. 7.5-04-01-01.1, Revision 08, 2024.
(最終閲覧日:2026年9月25日)
※本記事は、上記文献を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。
この記事を書いた企業
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