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【取扱製品解説|船舶第3回】ピストンとは

3.1 ピストンとは

ディーゼル機関において、シリンダ内を往復運動し、シリンダおよびシリンダヘッドとともに燃焼室を形成する部品をピストンという。

ピストンの往復運動によってシリンダ容積が変化し、シリンダ内の空気を圧縮する。
また、燃焼によって生じる圧力をピストン頂面で受け、その力を連接棒(コンロッド)を介してクランク軸へ伝える。

3.2 ピストンに求められる性質

ピストンは、高温・高圧の燃焼ガスにさらされながら往復運動するため、十分な強度と耐久性が求められる。

また、燃焼によって受けた熱を適切に逃がすため、熱伝導性に優れていることも重要となる。 さらに、往復運動による慣性力を小さくするため、十分な強度を確保しながら軽量であることが望ましい。

ピストン下部のスカート部はシリンダ内面と摺動する部分であり、耐摩耗性などが求められる。

3.3 材質

ピストンの材質は、機関の種類や使用条件によって異なる。

低・中速機関では、鋳鉄や、ニッケル、マンガンなどを含む特殊鋳鉄が用いられる。
一方、高速機関では、往復部分の軽量化を図るためアルミニウム合金が用いられる。

中・大型機関では、ピストンを複数の部品で構成し、ピストン頂部とスカート部で異なる材質を用いるものがある。
高温・高圧の燃焼ガスにさらされるピストン頂部には鋳鋼を用い、スカート部には鋳鉄を用いる構造などがある。

3.4 種類

ピストンは、その構造によって一体型と組立型に分けることができる。
また、ピストンからクランク軸へ力を伝える構造によって、トランクピストン型とクロスヘッド型に分けられる。

一体型と組立型

ピストン頂部と下部のスカート部が一体となっているものを一体型、それぞれを別部品として製作し、組み立てたものを組立型という。

トランクピストン型とクロスヘッド型

トランクピストン型は、ピストンと連接棒をピストンピンによって直接連結する構造である。
一方、クロスヘッド型は、ピストンと連接棒の間にピストン棒およびクロスヘッドを設けた構造である。

両者の基本的な構造を図3.1に示す。

図3-1 トランクピストン型とクロスヘッド型

図3.1 トランクピストン型とクロスヘッド型

トランクピストン型は、クロスヘッドやピストン棒を必要としないため、機関の高さを低くすることができる。
一方、クランクの回転に伴って連接棒が傾斜するため、ピストンには横方向の力である側圧が作用する。

この記事について

参考文献
・「舶用ディーゼル推進プラント入門」 商船高専キャリア教育研究会 編


※本記事は、上記文献を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。

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