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【電気の基礎|第1章 直流回路】1.11 重ね合わせの理

1.11 重ね合わせの理

ここでは、1.10 キルヒホッフの法則に続き、複雑な回路網を解くために重要な考え方を学んでいく。

図1.11-1(a)のように、複数の電源をもつ回路網の各枝路に流れる電流I1、I2、I3 [A]を求める場合、図1.11-2(b)および図1.11-3(c)のように電源を独立させたそれぞれの回路として取り扱い、それぞれの回路で求めた電流を足し合わせることで、実際の電流を求めることができる。

すなわち、枝路電流は次式で求めることができる。

I1=I1I1(1.111)I_1 = I’_1 – I”_1 \quad (1.11\text{-}1)

I2=I2+I2(1.112)I_2 = I’_2 + I”_2 \quad (1.11\text{-}2)

I3=I3+I3(1.113)I_3 = -I’_3 + I”_3 \quad (1.11\text{-}3)



図1.11-1 重ね合わせの理

なお、電流の向きは図1.11-1(a)で定義した基準方向に従っているため、各部分回路で求めた電流の向きが逆の場合は負符号で加算する。

この方法は、重ね合わせの理と呼ばれ、キルヒホッフの法則と合わせて複雑な回路網を解くために用いられる方法として知られる。

小規模回路ではキルヒホッフの法則で直接解く方が効率的な場合が多い一方、電源が多数存在する場合や特定電源の寄与のみを評価したい場合には、重ね合わせの理が有効となる。

【注意】
重ね合わせの理は、電圧と電流が比例関係にある素子(線形素子)のみで構成される回路において成り立つことに注意が必要である。
例えば、ダイオードやトランジスタのように、電圧と電流の関係が比例しない「非線形素子」を含む回路には、そのまま適用することはできない点に注意が必要である。

この記事について

参考文献
・「電気基礎(上)」コロナ社 著:宇都宮 敏男/高橋 寛/和泉 勲
・「電気回路テキスト」日本理工出版会 著:瀬谷 浩一郎


※本記事は、上記文献を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。

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