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【電気の基礎|第1章 直流回路】1.10 キルヒホッフの法則

1.10.1 キルヒホッフの法則

グスタフ・ロベルト・キルヒホフはオームの法則を基礎としつつ、より一般的な回路網に適用できる形としてキルヒホッフの法則を体系化した。

キルヒホッフの法則は電流に着目した第1法則(キルヒホッフの電流則)と電圧に着目した第2法則(キルヒホッフの電圧則)から成り立つ。

キルヒホッフの法則は複雑な回路網を紐解くために欠かせない法則であり、電気回路における基本法則として知られる。

1.10.2 第1法則(KCL:キルヒホッフの電流則)

回路網中の任意の接続点において、



流入する電流の和と流出する電流の和は等しい。

言い換えると、

任意の接続点に流れ込む電流の代数和は零である。
※電荷保存則に基づく

したがって、図1.10-1において次式が成り立つ。

I1+I2=I3[A](1.10-1)I_1 + I_2 = I_3 \; [\mathrm{A}] \tag{1.10-1}
I1+I2+(I3)=0[A](1.10-2)I_1 + I_2 + (-I_3) = 0 \; [\mathrm{A}] \tag{1.10-2}

一般には下記のようになる。

k=1nIk=0[A](1.10-3)\sum_{k=1}^{n} I_k = 0 \; [\mathrm{A}] \tag{1.10-3}

図1.10-1 キルヒホッフの電流則

1.10.3 第2法則(KVL:キルヒホッフの電圧則)

回路網内の任意の閉回路を一巡するとき、



起電力および各部の電圧の代数和は零となる。

言い換えると、



回路網中の任意の一閉回路について、これを一巡するときの電位変化の総和は、その閉回路中の起電力の総和に等しい。
※エネルギー保存則に基づく


ここで図1.10-2の回路においてキルヒホッフの第2法則の観点から式をたててみる。
①の閉回路において、図中の赤矢印の向き(時計回り)に一巡し、電圧上昇を正、電圧降下を負とすると、次式が成り立つ。

E1R1I1R2I2=0[V](1.10-4)E_1 – R_1 I_1 – R_2 I_2 = 0 \; [\mathrm{V}] \tag{1.10-4}
E1=R1I1+R2I2[V](1.10-5)E_1 = R_1 I_1 + R_2 I_2 \; [\mathrm{V}] \tag{1.10-5}

一般には次式で表す。

k=1nVk=0[V](1.10-6)\sum_{k=1}^{n} V_k = 0 \; [\mathrm{V}] \tag{1.10-6}

ただし、実用式としては下記を用いることが多い。

k=1nRkIk=k=1mEk[V](1.10-7)\sum_{k=1}^{n} R_k I_k = \sum_{k=1}^{m} E_k \; [\mathrm{V}] \tag{1.10-7}



図1.8-2 キルヒホッフの電圧則1



先に説明した通り、任意の一閉回路について、キルヒホッフの法則は成り立つことから、図1.10-3の閉回路②についても同様に考えることができる。

R2I2R3I3E3=0[V](1.10-8)R_2 I_2 – R_3 I_3 – E_3 = 0 \; [\mathrm{V}] \tag{1.10-8}
E3=R2I2R3I3[V](1.10-9)E_3 = R_2 I_2 – R_3 I_3 \; [\mathrm{V}] \tag{1.10-9}



図1.8-3 キルヒホッフの電圧則2



ここで、さらにもう1パターンについても考える。
図1.10-4は真ん中の抵抗R2を介さずに任意の閉回路③を選んだ場合である。
このとき、次式が成り立つ。

E1R1I1+R3I3E3=0[V](1.10-10)E_1 – R_1 I_1 + R_3 I_3 – E_3 = 0 \; [\mathrm{V}] \tag{1.10-10}
E1E3=R1I1R3I3[V](1.10-11)E_1 – E_3 = R_1 I_1 – R_3 I_3 \; [\mathrm{V}] \tag{1.10-11}



図1.10-4 キルヒホッフの電圧則3



なお、3つの閉回路式は互いに独立ではなく、
(1.10-4) と (1.10-8) を加減することで (1.10-11) が得られる。

未知電流が3つある場合、
KCLと独立な2つのKVL式を組み合わせることで解を求めることができる。

この記事について

参考文献
・「電気基礎(上)」コロナ社 著:宇都宮 敏男/高橋 寛/和泉 勲
・「電気回路テキスト」日本理工出版会 著:瀬谷 浩一郎

※本記事は、上記文献を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。

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