OMOGANEYA Technical Academy 〜 重金屋 技術塾 〜
【電気の基礎|第1章 直流回路】1.12 電力・電力量とジュールの法則
家電製品や工業製品など、私たちの身の回りには電気を利用して動作するさまざまな製品がある。
これらの製品では、電気エネルギーを熱、光、運動などのさまざまなエネルギーへ変換することで、その機能を実現している。
例えば、ヒーターでは電気エネルギーを熱エネルギーに、電気モーターでは運動エネルギーに変換して利用している。また、電子レンジでは電気エネルギーを利用してマイクロ波を発生させ、食品を加熱している。
ここでは、電気エネルギーと関係する電力、電力量およびジュールの法則について学ぶ。
1.12.1 電力と電力量
図1.12-1に示すように、電圧Vが加わった負荷に電流Iが流れると、負荷において電気エネルギーが消費される。

図1.12-1 電力と電力量
単位時間当たりに消費または供給される電気エネルギーを電力といい、単位にはワット(単位記号:W)、量記号にはPを用いる。
電力P[W]は次式で求められる。
この電力を一定時間使用したときの電気エネルギーの総量を電力量といい、単位にはワット秒(W・s)、量記号にはWを用いる。
すなわち、電力P [W]をt秒間使用したときの電力量W [W・s]は次式で求められる。
電力と電力量の関係は、速さと時間、走行距離の関係から考えると分かりやすい。
どれだけの距離を走るかは、速さと時間によって決まる。
走行距離 [m] = 速さv [m/s] × 時間t [s]
これと同様に、電力量は電力と使用時間によって決まる。
電力量 [W・s] = 電力P [W] × 時間t [s]
つまり、電力Pを「速さ」に例えると、電力量Wは「走行距離」に相当する。
電力が同じであっても、使用する時間が長くなるほど電力量は大きくなる。
1.12.2 ジュールの法則
電気エネルギーと熱エネルギーの関係は、普段の生活の中でも身近に感じることができる。
たとえば、電球を点灯すると熱を持つ、スマートフォンを充電すると温かくなる、パソコンを使用すると内部から熱が発生するなどである。
このように、電気を使用するさまざまな場面で熱が発生する。
導体中を電子が移動する際、電子は原子などとの衝突を繰り返す。
この過程で電気エネルギーの一部が熱エネルギーへ変換される。
ここで、抵抗を流れる電流によって発生する熱エネルギーの量を熱量といい、量記号にはH、単位にはジュール(単位記号:J)を用いる。
図1.12-1において、抵抗R [Ω]に電流I [A]をt秒間流したときに発生する熱量H [J]は、次式で表される。
この関係は、イギリスの物理学者ジェームズ・プレスコット・ジュールによる実験によって明らかにされた。
抵抗に電流を流したときに発生する熱量が、抵抗R、電流Iの2乗、時間tに比例する関係をジュールの法則といい、このとき発生する熱をジュール熱という。
また、式(1.12-2)および式(1.12-3)から、下記の通りとなる。
つまり、抵抗で消費される電気エネルギーと、抵抗から発生する熱エネルギーが等しいことが分かる。
また、1 Jは1 Wの電力を1秒間使用したときのエネルギーに等しいため、下記の通りである。
したがって、電力量の単位は次のように換算できる。
この記事について
参考文献
・「電気基礎(上)」コロナ社 著:宇都宮 敏男/高橋 寛/和泉 勲
※本記事は、上記文献を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。
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