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【取扱実績シリーズ|第1回】船舶用真空トイレとは

真空収集システムは、圧力差を利用した搬送技術であり、航空機や高速鉄道車両で広く採用されている。
船舶分野においても、限られたスペースで効率的に汚水を処理する手段として導入が進んでいる。
本稿では、その主要構成および動作原理について解説する。

1.1 船舶用真空トイレの主要構成


真空収集システムは、主に以下の3つの要素によって構成される。

器具 (Appliances)
排泄物を排出するトイレ・小便器(汚水:ブラックウォーター)および、洗面台・シンク・シャワー等から排出される排水(雑排水:グレーウォーター)を指す。

配管 (Piping)
システム全体の真空状態を維持し、汚水を搬送するための管路である。

収集・発生ユニット (Collection / Generation Units)
システムの中枢を担い、以下の機能を備える。

 ・真空発生機能: 真空ポンプにより配管内を常時、負圧状態に保持する。
 ・収集装置: 搬送された汚水・雑排水を一時的に貯留する。


1.2 汚水搬送のメカニズム


真空発生ユニットにより、配管内は真空(低圧)状態に保たれる。
トイレの洗浄ボタンが作動すると、大気(高圧)が配管内へと急速に流入する。
この圧力差(気圧差)によって生じる高速の空気流が、汚水を物理的に牽引し、搬送を実現する。

通常、1回の洗浄動作によって汚水が搬送される距離は10〜20メートル程度である。
後続の洗浄動作が繰り返されることで、汚水は段階的に移動し、最終的に収集ユニットへと到達する。

1.3 システムの心臓(バキュームタンク)


システムの心臓部である収集・発生ユニットには、一般的にバキュームタンクが用いられる。
主に以下の3要素で構成され、連続的な排水処理を可能にしている。

真空ポンプ
配管内を負圧に維持し、汚水をユニット内へ吸引する。

バッファタンク
吸引された汚水を一時的に貯留するタンク。

排出ポンプ
タンク内に一定量蓄積された汚水を、船内の汚水処理装置(STP)や貯蔵タンク、あるいは陸上の公共下水道へと強制送液する。


※一部メーカーでは、真空発生と排出を一体化したポンプユニットを採用し、タンクを介さずに処理設備へ直結する構成も存在する。

この記事について


参考文献
・Evac Group, “Vacuum Collection”,
(最終閲覧日:2026年2月23日)

※本記事は、上記文献を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。


記事作成
株式会社マリンテクノサービス
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