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【取扱製品解説|船舶第2回】温度膨張弁とは

膨張弁は冷凍サイクルを構成する四つの部品構成のうちの一つにあたる。
本稿では、温度膨張弁ついて解説する。

2.1 温度膨張弁の主な役割

膨張弁は、蒸発器出口の過熱度を基準として冷媒流量を制御する部品である。
蒸発器出口の過熱度(スーパーヒート)を測定し、その値に応じて蒸発器へ流入する冷媒量を増減させ、一定の過熱度を維持しようとする。


これにより、冷媒が蒸発器内で確実に蒸発し、液体冷媒が圧縮機へ流入する「液戻り」や、それに伴う液圧縮を防ぐことができる。
液体が圧縮機へ流入すると重大な損傷を引き起こすため、膨張弁はそれを防ぐための重要な部品である。

2.2 主要構成部品

温度膨張弁には多くの種類があるが、どの種類においても基本的な動作原理に従う。
主に、弁本体、ダイヤフラム、ニードル、感温筒により構成される。

<弁本体>
内部に部品を収容し、また、冷媒の流れを制限するオリフィスを備える。
弁は圧力を低下させ、冷媒がより低い温度で沸騰できるようにする役割がある。
弁入口内部にはオリフィスアセンブリが配置されている。
ばね仕掛けのストッパーで塞がれた小さなオリフィス(穴)により、蒸発器へ流れる冷媒の圧力(蒸発圧力)を調整する。

<ダイヤフラム>
丈夫で薄く、柔軟性のある素材(通常は金属製)が使用される。

<ニードル>
オリフィス内の開口部の大きさを変化させ、冷媒の流れを制御するために上下に動くピン
の先についているバルブを開閉するための部品。

<ばね>
ニードルの動作に対抗するためのばね。

2.3 動作原理

冷却負荷が増加すると、蒸発器出口の過熱度が上昇する。
出口に設置された感温筒がこれを検知すると、内部の封入ガスが膨張(あるいは沸騰)し、圧力が上昇する。

この圧力がダイヤフラムを押し下げ、連動するニードルがオリフィスを開く。
これによりスプリングの力に抗って弁が開き、より多くの冷媒が蒸発器へ供給される(図2-1:過熱度上昇時の動作)。

図2-1 温度膨張弁(TEV)の動作原理(過熱度増加時)

逆に、冷媒供給量が増えて過熱度が低下すると、感温筒内の圧力が低下する。
スプリングの力が勝ることでダイヤフラムを押し戻し、弁を絞って冷媒量を減少させる(図2-2:過熱度減少時の動作)。

この動作の繰り返しにより、適切な量の冷媒が流れるように調整される。

図2-2 温度膨張弁(TEV)の動作原理(過熱度減少時)

この記事について

参考文献
・The Engineering Mindset
(最終閲覧日:2026年3月15日)

※本記事は、上記文献を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。

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