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【船舶工学の基礎|第1章 排水量等の計算】1.1 断面積の計算

船舶の排水容積や排水量などを求めるためには、船体の水面下にある部分の形状を把握する必要がある。

その基本となる計算の一つが、船体の各位置における断面積の計算である。
まず、船体中央断面における水面下の断面積について考える。

図1.1-1に示すように、基線(B.L.:Baseline)から水面までの垂直距離を喫水 d とする。

また、基線から高さ z の位置における、船体中心線(C.L.:Center Line)から船体表面までの水平方向の距離を半幅 bM(z) とする。

図1.1-1 船体中央断面における水面下断面積の考え方

船体中央断面は船体中心線に対して左右対称なので、片側の水面下断面積は、半幅bM(z)を基線から水面まで積分することで求められる。

したがって、片側の断面積は下記の通りとなる。

0dbM(z)dz(1.11)\int_{0}^{d} b_M(z)\,dz \quad (1.1\text{-}1)

bM(z):高さzにおける船体中央横断面の半幅[m]
z:基線からの高さ[m]
d:喫水[m]

船体中央断面全体では、この面積が船体中心線の左右に存在するため、2倍することで水面下の断面積AM(d)が求められる。

AM(d)=20dbM(z)dz(1.12)A_M(d) = 2\int_{0}^{d} b_M(z)\,dz \quad (1.1\text{-}2)



AM(d):喫水dにおける船体中央断面の水面下断面積[㎡]

つまり、この式では船体の高さ方向に変化する半幅を積み重ねて片側の面積を求め、それを2倍することで船体中央断面全体の水面下断面積を求めていることが分かる。

さらに、船首尾方向の任意の位置xにおける断面積についても、同様に考えることができる。

その位置における高さzでの半幅をb(x,z)とすると、喫水dにおける水面下断面積A(x,d)は次式となる。

A(x,d)=20db(x,z)dz(1.13)A(x,d) = 2\int_{0}^{d} b(x,z)\,dz \quad (1.1\text{-}3)


A(x,d):船首尾方向の位置x、喫水dにおける水面下断面積[㎡]
b(x,z):船首尾方向の位置x、高さzにおける船体の半幅[m]


AM(d)は船体中央断面における断面積を表すのに対し、A(x,d)は船首尾方向の任意の位置xにおける断面積を表している。

船首尾方向の各位置における断面積A(x,d)を求め、これをさらに船の長さ方向に積分することで、船体の水面下にある部分の排水容積を求めることができる。

この記事について

参考文献
・「これ一冊で船舶工学入門」商船高専キャリア教育研究会 編


※本記事は、上記文献を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。

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