OMOGANEYA Technical Academy 〜 重金屋 技術塾 〜
電気・電子シリーズ 番外編|第3回 風力発電と発電機
3.1 風力発電と発電機
風力発電は、風の運動エネルギーを風車により回転運動へ変換し、その回転を発電機によって電力に変換する発電方式である。
風力発電機を交流電力系統に連系する場合、変圧器のみを介して直接接続する「ACリンク方式」と、電力変換装置(コンバータ・インバータ)を用いて系統の周波数に適合させる「DCリンク方式(広義)」に大別される。
ACリンク方式には主にかご形誘導発電機(SCIG)や巻線形誘導発電機(WRIG)といった誘導発電機(IG)が用いられる。
一方、DCリンク方式では、回転子側を電力変換器で制御する二重給電誘導発電機(DFIG)に加え、永久磁石型同期発電機(PMSG)や巻線型同期発電機(WRSG)といった同期発電機(SG)も用いられている。
※本文中で用いる「DCリンク方式」は、参考文献における分類に基づくものであり、直流回路を介して系統連系を行う方式を広義に指している。なお、二重給電誘導発電機(DFIG)は、回転子側のみを電力変換器で制御する部分変換型であり、発電機出力の全てが直流回路を通過する厳密な意味でのDCリンク方式ではない。
3.2 誘導発電機(IG)
誘導発電機は、ブレード(風車の羽根部分)の低速回転を、増速機(ギアボックス)によって発電に必要な回転数まで高める「増速方式」の風力発電機に主として採用されてきた。
誘導発電機は、回転子構造および系統連系方式の違いにより、かご形誘導発電機(SCIG)、巻線形誘導発電機(WRIG)、二重給電誘導発電機(DFIG)などに分類される。
<因みに>
二次巻線形誘導発電機は、当初は抵抗制御を主体とする方式であったが、パワーエレクトロニクス技術の発展により、二次側を電力変換器に接続して電流を能動的に制御する二重給電誘導発電機(DFIG)へと発展してきた。
本章では、現在の代表的な方式として二重給電誘導発電機(DFIG)を取り上げている。
3.3 同期発電機(SG)
同期発電機は、回転子の回転速度が電力系統の周波数と同期する特性を有する発電機であり、主に増速機を使用しないダイレクトドライブ方式の風力発電機に用いられる。
同期発電機では、界磁磁束を制御することにより電圧制御が可能であり、電力変換装置を介して系統に連系することで、回転速度が変動する風車においても安定した発電が可能となる。
このため、永久磁石型同期発電機(PMSG)や巻線型同期発電機(WRSG)がDCリンク方式の風力発電機に広く採用されている。
<因みに>
近年では、発電機の大型化を抑える目的から、低増速比の増速機と比較的小型の同期発電機を組み合わせたハイブリッド方式の風力発電機も増加している。
この記事について
参考文献
・「風力発電導入ガイドブック(2008年2月改訂第9版)」 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
・「NEDO 再生可能エネルギー技術白書 第2版」 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
・「風力発電装置における軸受の最新技術と市場動向」 株式会社ジェイテクト(JTEKT)
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