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電気・電子シリーズ 番外編|第4回 JC-STARとは?IoT製品のセキュリティラベリング制度

IoT機器の普及に伴い、インターネットに接続されるさまざまな製品において、サイバーセキュリティ対策の重要性が高まっている。

日本では、IoT製品に実装されているセキュリティ機能を共通の基準によって評価・可視化する制度として、セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)が設けられ、2025年3月25日から運用が開始されている。

ここでは、JC-STARの概要、対象となる製品、適合ラベルのレベルなど、制度の基本について整理する。

4.1 JC-STARとは

JC-STAR(Labeling Scheme based on Japan Cyber-Security Technical Assessment Requirements)は、IoT製品に対するセキュリティ要件への適合性を確認し、その結果をラベルによって可視化する制度である。


ETSI EN 303 645やNISTIR 8425などの国内外の規格とも調和しながら、JC-STAR独自の適合基準(セキュリティ技術要件)が定められている。


2024年8月に経済産業省が公表した「IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針」に基づいて制度が構築され、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が制度を運営している。


JC-STARは、インターネットとの通信が行える幅広いIoT製品を対象として、製品に備えられているセキュリティ機能を共通の基準によって評価・可視化することを目的としている。


4.2 JC-STARの対象となる製品

JC-STARで適合ラベルを取得できる対象は、インターネットプロトコル(IP)を使用したデータの送受信機能を持つIoT製品である。


インターネットへ直接接続する機器だけでなく、IPを使用できるものであれば、他の機器を介してインターネットへ接続できる製品も対象となる。


対象となるIoT製品は、供給者による販売または利用者による購入の単位となるもので、単独のIoT機器、またはIoT機器とその目的を達成するために必要な必須付随サービスによって構成される一式とされている。


一方、現時点では「システム」はJC-STARの対象外とされている。


4.3 適合ラベルのレベル

JC-STARでは、求められるセキュリティ水準に応じて、★1(レベル1)から★4(レベル4)までの適合基準が設定されている。


★1(レベル1)
製品として共通して求められる最低限のセキュリティ要件を定め、その要件を満たしていることをIoT製品ベンダーが自ら宣言する。

★2(レベル2)
製品類型ごとの特徴を考慮し、★1に加えて必要となる基本的なセキュリティ要件を定め、その要件を満たしていることをIoT製品ベンダーが自ら宣言する。

★3(レベル3)・★4(レベル4)
政府機関、重要インフラ事業者、地方公共団体、大企業などの重要なシステムで使用される製品を想定し、★1・★2に加えて、製品類型ごとに必要となるセキュリティ要件を定める。

★3・★4では、独立した第三者評価機関による評価が行われ、その評価報告書に基づいてIPAが認証・適合ラベルを付与する。


4.4 自己適合宣言と第三者評価

JC-STARでは、取得するレベルによって評価方法が異なる。


★1および★2は、IoT製品ベンダーによる自己適合宣言方式である。
IoT製品ベンダーが、IPAによって定められた適合基準および評価手順に従って製品を評価し、その結果を記載したチェックリストなどを提出する。IPAは提出された内容に基づいて適合ラベルを付与する。


一方、★3および★4では第三者評価機関による適合評価・認証が行われる。
なお、適合基準への適合について疑義が生じた場合には、IPAによる検査やサーベイランスが行われ、その結果によっては適合ラベルが取り消される場合がある。


4.5 適合ラベルが示すもの

JC-STARの適合ラベルは、定められた適合基準および評価ガイドに従い、その適合基準が想定する脅威に対抗するために必要となるセキュリティ機能について、所定の水準を満たしていることを確認するものである。


ただし、IPAでは、適合ラベルが付与されていることによって、完全・完璧なセキュリティが確保されていることを保証するものではないとしている。


適合ラベルの星の数は、製品がどのレベルのセキュリティ水準を達成したかを表しており、星の数が多いほど、より高度なセキュリティ要件を達成していることを示す。


4.6 JC-STARの運用開始

JC-STARは、2025年3月25日に運用が開始され、同日から★1(レベル1)の申請受付が開始された。


その後、2025年5月から★1適合ラベルの交付が開始され、IPAでは適合ラベルを取得した製品を公開している。


適合ラベル取得製品については、登録番号、ラベル取得事業者、製品名称、レベル、ラベルのステータス、取得日、有効期間などをIPAのウェブサイトで確認することができる。


4.7 JC-STARの申請

JC-STARの適合ラベルを取得する場合は、IPAへ申請を行う。

★1および★2の申請では、適合ラベル取得申請確認書、JC-STAR適合ラベル申請書、チェックリストなどの書類が必要となる。


2026年8月現在、★1の申請手数料は198,000円(税込)とされている。


なお、適合ラベルを申請したことによって必ずラベルが交付されるものではなく、IPAも「適合ラベルを取得済」「取得見込」などと誤認させる表示を行わないよう注意を示している。


4.8 JC-STARの現在

JC-STARは2025年に★1から運用が開始され、その後、より高いレベルの適合基準についても整備が進められている。


2026年6月には、通信機器およびネットワークカメラを対象とした★3(レベル3)のセキュリティ要件・適合要件が公開されている。


JC-STARは、IoT製品に備えられたセキュリティ機能を、共通の基準と適合ラベルによって確認・可視化するための制度として運用されている。


この記事について

参考文献
・経済産業省「IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針」(2024年8月23日)
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「セキュリティラベリング制度(JC-STAR)についての詳細情報」
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「適合基準・評価手順(評価手法・評価ガイド)について」
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「申請手続き・報告手続き」

(最終閲覧:2026年8月28日)

※本記事は、上記資料を参考に制度の概要を整理したものである。

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