OMOGANEYA Technical Academy 〜 重金屋 技術塾 〜
情報工学 番外編|第1回 TrajectME-AIと目指す未来
TrajectME-AIは、株式会社Lightcone Technologyが提供するAIサービスである。
出発点にあったのは、AIとの対話を、答えを得るためだけに使って終わらせたくないという考えであった。
対話の中には、質問や回答だけでなく、何を疑問に思い、どのような理由から考え直し、最終的に何を選んだのかという過程が残る。
TrajectME-AIが目指しているのは、この過程を一時的な会話として消費するのではなく、自分の思考を振り返り、相手へ伝えるための資産として残すことである。
1.1 AIとの対話を「思考の外注」で終わらせない
AIは、質問に対する回答を生成するだけでなく、考えを整理し、別の視点を得るための対話相手としても利用できる。
しかし、回答だけを受け取って会話を終えれば、AIに何を尋ね、どこで迷い、どのように考えが変化したのかは振り返られないままになる。
TrajectME-AIでは、AIに考えることを任せきるのではなく、対話を通して自分の考えを言葉にし、その過程を後から確認することを重視している。
ここで蓄積したいのは、AIが生成した回答そのものだけではない。人がAIとどのように対話し、どのような思考の軌跡を残したかである。
1.2 会話を思考の履歴として残す
現在のTrajectME-AIでは、AIとの対話内容を基に、考え方の特徴や対話の傾向をスコアとコメントで整理したレポートを作成できる。
One-Shot Reportは、指定した会話または期間内の対話から、その時点における思考の特徴を振り返るためのレポートである。
Evaluation Reportは、複数の会話や一定期間の対話をまとめ、思考の特徴だけでなく、その変化を長期的に振り返るためのレポートである。
一回の会話を一つの記録として見ることも、複数の会話を時間の流れに沿って見ることもできる。対話を継続して残すことで、その時点では気付かなかった変化を後から確認するための材料になる。
これが、TrajectME-AIの掲げる「思考を、軌跡にする。」という考え方につながっている。
1.3 スコアは人の能力を決めるものではない
TrajectME-AIのレポートには、思考の特徴を整理するためのスコアやコメントが表示される。
ただし、このスコアは、利用者の能力、適性、人格または価値を証明するものではない。
レポートは、評価対象となった対話内容をAIが分析した結果である。話題、対話の長さ、質問の仕方、その時点の状況などによって、表れる特徴は変わり得る。
したがって、スコアだけを切り離して人を順位付けしたり、固定的な人物像を決めたりするために用いるものではない。
重要なのは、数値そのものよりも、なぜその結果になったのかを対話内容とともに振り返ることである。TrajectME-AIの評価は答えではなく、自分の考え方を見直すきっかけとして位置付けられている。
1.4 会話を取り繕えば評価を変えられるのか
TrajectME-AIの評価は、記録された対話内容を基に行われる。そのため、意図的に理想的な回答を続ければ、レポートの結果に影響を与えることはあり得る。
特に、一回の会話や限られた範囲の対話を対象とするOne-Shot Reportだけで、その人の考え方全体を判断することはできない。
一方、Evaluation Reportは、複数の会話や一定期間の対話を対象とする。異なる話題や状況において、実際の考えとは異なる人物像を長期間にわたって一貫して示し続けることは、一度の対話を取り繕うより難しくなる。
それでも、意図的な演出を完全に見抜けるわけではなく、本人であることや発言の真偽を証明する仕組みではない。
とはいえ、長期間にわたって同じ価値観や判断基準を選び、言葉にし続けたこと自体も、その人の思考や行動の一部と捉えることができる。
1.5 自分を知るだけでなく、相手へ伝える
自分の考え方を、自分の言葉だけで相手へ説明することは簡単ではない。
そこでTrajectME-AIでは、作成したレポートをPDFまたは公開URLとして出力し、第三者へ共有できるようにしている。
これは、AIの評価をそのまま信用してもらうためではない。自己紹介、面談、商談、チームでの対話などにおいて、自分の考え方を説明するための補助資料として使うことを想定している。
レポートを受け取った側も、スコアだけを見るのではなく、本人との対話を始めるための材料として利用する。TrajectME-AIが目指す信頼は、AIが人を断定することで生まれるものではなく、互いを理解するための情報が増えることによって形成されるものである。
1.6 共有する情報を確認できる形にする
レポートを第三者へ共有する場合には、そのレポートがどこで発行され、どの対話ログを基に作成されたのかを確認するための情報も必要になる。
TrajectME-AIでは、レポートの内容を共有する公開URLとは別に、第三者検証用の検証URLを発行できる。
検証URLには、レポートを識別する認証ID、発行時の対話ログから生成したSHA-256形式のログハッシュ、有効期限、公開範囲などが表示される。
ログハッシュは対話内容そのものではなく、発行時のデータに変更がないかを確認する際の基準となる情報である。
この仕組みだけで、レポートに記載された評価の正しさや、利用者の能力まで証明できるわけではない。確認できるのは、TrajectME-AIにおけるレポートの発行情報と、発行時に評価へ使用した対話ログから算出されたハッシュ値である。
1.7 会話の履歴が人とつながるための資産になる未来
現在のTrajectME-AIは、AIとの対話、One-Shot ReportとEvaluation Reportの作成、対象期間における思考の変化の確認、PDF・公開URLによる共有、検証URLの発行を中心とするサービスである。
その先にある構想は、蓄積された対話と、そこから見える思考の特徴を、自己分析だけで終わらせないことである。
履歴書や職歴、所属、年齢などの情報だけでは、何を大切にし、どのように考え、他者とどのように対話する人なのかまでは伝わりにくい。
TrajectME-AIでは、本人が共有を選んだ思考の特徴を手掛かりとして、人と人、人と組織、人とプロジェクトがつながる未来を構想している。
- ビジネスマッチング:考え方の相性を手掛かりとして、ビジネスパートナーと出会う
- プロジェクトマッチング:自分の思考の特徴を生かせるプロジェクトやチームとつながる
- リクルートマッチング:経歴だけでなく、考え方の相性も手掛かりとして企業と人をつなぐ
- プライベートマッチング:仕事以外の活動や交流において、価値観や考え方の近い人とつながる
これらの構想においても、スコアだけで人を順位付けするのではなく、本人が共有を選んだ情報を相互理解の手掛かりとして用いることを前提としている。
いずれも、現在提供している機能ではなく、TrajectME-AIが目指している将来の構想である。実際の提供内容や実現時期が決まっているものではない。
1.8 一人ひとりの強みや価値が、より自然に伝わる社会へ
TrajectME-AIが目指すのは、すべての人を一つの基準で評価する社会ではない。
同じ人であっても、考えるテーマや置かれた状況によって、表れる特徴は異なる。短い数値や肩書だけでは、その人が持つ考え方の広がりを十分に表すことはできない。
だからこそ、対話を一度の判定に使うのではなく、時間とともに積み重なる軌跡として残す。
自分を理解するために使うことも、相手へ伝えるために使うこともできる。そして、本人の意思でレポートを共有し、検証URLの公開範囲を選んだうえで、新しい人や機会とつながるための材料にする。
AIとの対話を「思考の外注」で終わらせず、自分を知り、相手に伝え、信頼につなげる資産へ変えていくことが、TrajectME-AIと株式会社Lightcone Technologyの目指す未来である。
TrajectME-AIのサービス内容や利用方法については、TrajectME-AI公式ページをご覧ください。
この記事を書いた企業
- 企業名
- 株式会社Lightcone Technology
- 事業内容
- LLMを活用したAIサービスの企画・開発・運営
Web・モバイルアプリケーションの企画・開発・運営
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AI基盤技術の研究・開発 - URL
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