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【深層学習の基礎|第2章 教師あり学習と線形モデル】2.1 教師あり学習の基本構造

教師あり学習は、入力データと、それに対応する正解の出力を用いて、入力から出力を予測するモデルを構築する方法である。

学習済みのモデルには新しい入力を与え、訓練時には与えられていなかった出力を予測させる。

この仕組みを実際に機能させるには、モデルを選んで訓練するだけでなく、何を予測するのかを定め、データを準備し、得られたモデルを評価するまでの一連の流れが必要となる。

2.1.1 教師あり学習を構成する要素

教師あり学習の基本構造は、入力データ、正解データ、モデル、学習方法、評価方法によって構成される。

入力データは予測の根拠としてモデルに与える情報であり、正解データは入力に対して予測すべき値を示す。

正解データは、予測対象を表す目的変数またはターゲットとも呼ばれる。

モデルは入力を予測へ変換する関係を表し、学習ではモデルの予測と正解とのずれを基に、モデルのパラメータを調整する。

評価では、訓練に使用していないデータに対してモデルがどの程度適切に予測できるかを確認する。

2.1.2 問題設定とデータの準備

教師あり学習の出発点は、解こうとする問題の範囲を定めることである。

何を予測するのか、予測時にどのような情報を入力として利用できるのか、どの程度の性能が必要なのかを整理する。

問題設定が定まったら、入力と正解を対応づけたデータを収集する。

収集されたデータには、欠損値、重複、表記や形式の不統一、外れ値などが含まれることがある。そのため、データをそのまま使用するのではなく、内容を確認して必要な処理を行い、モデルが扱える形式に整える。

このようなデータの収集、読み込み、整理、変換は、教師あり学習のワークフローを支える重要な工程である。

2.1.3 モデルの構築と訓練

準備したデータに対して、予測対象やデータの性質に応じたモデルを選ぶ。

教師あり学習では、入力から得られたモデルの予測と、対応する正解とを比較する。

両者の違いは損失関数によって数値化され、学習アルゴリズムは損失が小さくなるようにモデルのパラメータを調整する。

したがって、訓練とは単にデータをモデルへ入力する処理ではなく、予測、正解との比較、パラメータの調整を繰り返して、入力と出力の関係をデータへ適合させる処理である。

モデルの学習結果は、使用するデータだけでなく、データの変換方法、モデルの種類、損失関数、学習方法の選び方によっても変化する。

2.1.4 評価と学習済みモデルの利用

訓練データに対してよい予測ができても、新しい入力に対して同じように機能するとは限らない。

そこで、モデルの構築過程では、訓練に使用していないデータによって予測性能を評価する。

目的やデータの性質に応じて、複数のモデルや手法を比較することもある。

必要な性能が確認された学習済みモデルは、新しい入力から出力を予測するために使用される。このときは正解データを入力するのではなく、訓練によって定まったモデルへ新しい入力データを与えて予測を得る。

まとめ

教師あり学習では、入力データと正解データの対応関係を利用して、入力から出力を予測するモデルを訓練する。

その基本構造は、入力と正解だけで完結するものではない。予測する問題を定め、データを収集・整理し、モデルと学習方法を選び、訓練とは分けて性能を評価する必要がある。

教師あり学習を、単独のアルゴリズムではなく、問題設定から学習済みモデルの利用までを含むワークフローとして捉えることで、それぞれの工程の役割を整理できる。

この記事について

参考文献

  • 「Fundamental Components and Principles of Supervised Machine Learning Workflows with Numerical and Categorical Data」Styliani I. Kampezidou ほか 著
  • 「A Survey and Taxonomy of Loss Functions in Machine Learning」Lorenzo Ciampiconi ほか 著

(最終閲覧日:2026年10月16日)


※本記事は、上記文献を参考にしつつ、筆者の理解に基づき整理したものである。


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